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大学院創成科学研究科化学系専攻の石川明日美さんが第79回分析化学討論会において「若手ポスター賞」「産業界シンポジウム賞」の2賞をダブル受賞しました

(2019年5月22日 掲載)

大学院創成科学研究科化学系専攻の石川明日美さんが第79回分析化学討論会において「若手ポスター賞」「産業界シンポジウム賞」の2賞をダブル受賞しました-1.jpg大学院創成科学研究科化学系専攻の石川明日美さんが第79回分析化学討論会において「若手ポスター賞」「産業界シンポジウム賞」の2賞をダブル受賞しました-2.jpg大学院創成科学研究科化学系専攻の石川明日美さんが第79回分析化学討論会において「若手ポスター賞」「産業界シンポジウム賞」の2賞をダブル受賞しました-3.jpg

北九州国際会議場(5月18日〜19日)で開催された第79回分析化学討論会において、大学院創成科学研究科化学系専攻博士前期課程1年の石川明日美さん(指導教員:藤井健太准教授)が、①分析化学討論会若手ポスター賞及び②産業界シンポジウム若手ポスター賞の2賞をダブル受賞しました。受賞の対象となった講演題目は「イオン液体中における均一網目イオンゲルの反応速度論とその力学・電気化学特性」です。

リチウム塩を有機溶媒に溶解した液体電解質を高分子網目でゲル状に固めた「高分子ゲル電解質」は、リチウムイオン電池などの実用使用を想定した機能性ソフトマテリアルとして古くから研究が進められています。しかし、自立したゲルを得るには多くの高分子量が必要であるため、イオン輸送を担う電解液の含有量が著しく制限されるという普遍的な課題を抱えています。この課題の根本解決を目指し、石川さんは「高分子網目構造の超均一化」を着想し、リチウムイオンなどの様々な溶質成分が混在する複雑溶液中でも高い反応効率(95%以上)で高分子を架橋する方法論を確立しました。結果として、大きい変形(10倍の延伸)を加えても破断しない高い力学特性、液体状態に匹敵する理想的イオン伝導を兼ね備えた新規電解質材料を創成することに成功し、この成果が学会・産業界の双方から高い評価を受け、このたびの2賞を受賞するに至りました。

今回の受賞に対して、石川さんは「ポスター発表の時間はあっという間であり、非常に楽しい時間を過ごすことができました。さらに、私の発表を評価していただき、大変嬉しく思います。今後も楽しく研究活動に励みたいと思います。」と喜びの言葉を述べています。