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創成科学研究科の三上真人教授が、日本マイクログラビティ応用学会論文賞を受賞しました

(2019年11月19日 掲載)

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 創成科学研究科工学系学域機械工学分野の三上真人教授が、日本マイクログラビティ応用学会論文賞を受賞し、2019年10月24日に行われた授賞式において表彰されました。本賞は過去5年間にInternational Journal of Microgravity Science and Applicationに掲載された論文の中で「日本の微小重力(マイクログラビティ)利用研究にとって重要なマイルストーンとなる論文」「世界的にも誇れる微小重力分野での研究成果を含む論文」「微小重力分野以外でも優れた研究成果を含む論文」の評価項目について審査され、高く評価された論文に贈られる賞です。受賞論文は、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」において初めての燃焼実験として実施された「Group Combustion」実験の成果を最初に発表した原著論文です。本論文は、1950年代に始められた微小重力場での液滴燃焼とその応用先である噴霧燃焼とをパーコレーション理論を援用して繋ぐための研究であり、微小重力場において液滴群の燃え広がりを観察した世界初の実験の成果を示しました。そのため、微小重力場での燃焼研究において重要なマイルストーン論文として高く評価されました。

受賞に対して三上教授は、「微小重力場での燃焼研究を開始してちょうど30年目の年に、日本マイクログラビティ応用学会からこのような栄誉ある賞をいただくことができ、大変光栄に存じます。受賞論文の共著者以外にも多くの方々にお世話になりました。この場を借りて感謝申し上げます。今回の宇宙実験により予期せぬ特異な燃焼現象が見つかりましたが、その機構を解明すべく、二度目の宇宙実験「Group Combustion-2」を関係者と検討しております。お楽しみに。」と喜びの言葉と抱負を述べています。

受賞論文:
Generation of a Large-Scale n-Decane-Droplet Cloud Considering Droplet Pre-Vaporization in "Group Combustion" Experiments aboard Kibo/ISS
M. MIKAMI, H. NOMURA, Y. SUGANUMA, M. KIKUCHI, T. SUZUKI and M. NOKURA
Int. J. Microgravity Sci. Appl. 35(2) 2018 P350202