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ミツバチはどのようにして精緻な巣をつくるのか? -ミツロウの付着と掘削に着目したハニカム構造への学際的アプローチ-

(2018年10月31日 掲載)

ミツバチはどのようにして精緻な巣をつくるのか?_1

ミツバチの巣に見られる精緻なハニカム構造は、耐久性と貯蔵性に優れていて、作製に必要な材料を少なくできます。ミツバチは、進化の過程でハニカム構造を作製する能力を獲得したと考えられています。しかし、そのような精緻な構造をミツバチがどのようにして作るのかは、これまで明らかではありませんでした。

山口大学大学院創成科学研究科工学系学域工学基礎分野の鳴海孝之講師は、神戸大学大学院医学研究科の本多久夫客員教授、関西学院大学理工学部数理科学科の大﨑浩一教授および同大学理工学研究科の上道賢太氏(博士課程後期課程在籍)と共同で、ミツバチの造巣に関するコンピュータシミュレーションモデル「付着・掘削モデル」の提案を行い、ミツバチが作る巣の初期構造の再現に成功しました。

精緻なミツバチの巣が、ミツバチによるミツロウの付着と掘削という単純な行動ルールに基づく活動によって作られうることを、本研究成果は示唆しています。

ミツバチの単純な行動原理が明らかになることで、構造物作製における可能性が広がります。例えば、ナノサイズのハニカム構造を作製するといった応用展開の可能性を秘めた研究成果といえるでしょう。

本研究成果は、平成30年10月25日、PLOS社が刊行するオープンアクセスジャーナルPLOS ONEに掲載されました。

DOI:10.1371/journal.pone.0205353
LINK:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0205353

研究結果の詳細 [223KB; PDFファイル]